正しい手洗いの方法とは?豆知識や注意点を解説!

2023/5/31

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今もなお、新型コロナウイルスの流行が続いています。感染予防のためには「密閉」「密集」「密接」の3密を避けるだけでなく、日ごろからの手洗いうがいやアルコール消毒などの個人による日常的な感染対策が欠かせません。

特に新型コロナウイルスは感染経路に接触感染があることから、石けんを使った正しい手洗いが特に有効と考えられています。

そこで今回は、正しい手洗いの方法とあわせて、手洗いの豆知識や注意点を解説します!

感染症予防には手洗いは有効? 

多くの感染症は、感染源から周囲に広がる飛沫感染、接触感染、空気感染、媒介物感染などによって、病原体が体に侵入して症状が現れます。

新型コロナウイルスの感染経路はエアロゾル感染、飛沫感染、接触感染の主に3つであることが分かっており、手洗いやアルコール消毒を行うことでも感染を防ぐことが可能です。

なぜ手洗いが重要なの?

手洗いは、手や指に付着したウイルスや細菌から身を守る方法としては最も有効な手段のひとつです。なぜなら、ウイルスや細菌などは目には見えないから。私たちが何気なく送っている日常生活でもウイルスや細菌に触れる機会は多いのです。
例えば、不特定多数の人が触るつり革、手すり、ドアノブなどに触れるとウイルスや細菌が手に付着します。現在はマスクを着用する機会も多いですが、何かに触れた手で鼻や口を無意識に触ったり、目をこすったりするとウイルスや細菌は体の中に侵入します。

通常、私たちの体は免疫機能が備わっており、ウイルスや細菌が体の中に侵入しても、免疫がウイルスに感染した細菌をやっつけて体の外に排除してくれます。この時疲労やストレスなどで抵抗力が低下していると、ウイルスや細菌を外に排除できず、粘膜で増殖して炎症を起こします。
このウイルスや細菌を体の中に侵入させて感染させないためにも手洗いは重要です。インフルエンザウイルスはドアノブなどの環境表面で、2〜8時間程度存在することが分かっています。また、新型コロナウイルスはステンレスやプラスチックなどの環境表面で4日以上存在することも判明しています。外出先で触れる場所もこまめに掃除しているとはいえ、どのくらい前に消毒・除菌されたものか判断することはできません。さまざまなウイルスや細菌から体を守るためにも、1日のさまざまな場面でこまめな手洗いが欠かせないのです。

手洗いでどの程度の菌がいなくなるの?

手や指に付着したウイルスや細菌への対策は、手洗いが最も有効な方法です。では、手洗いでどの程度の菌がいなくなるのでしょうか?

厚生労働省によると、手洗いなしの状態では残存ウイルスは約100万個も存在しているのに対し、石けんやハンドソープで10秒揉み洗いし、15秒間洗い流すこと作業を1回行うと約0.01%にまで残存ウイルスが減少します。また、2回繰り返すことで約0.0001%にまで減少することが分かっています。

手洗いを丁寧に行うことで、手や指についたウイルスや細菌は十分に除去できます。このことからも手洗いの重要性が分かるでしょう。

正しい手洗いの知識

では正しい手洗いはどのように行えば良いのでしょうか?ここでは皆さんが疑問を抱きがちな「手洗いは水道水と石けんで十分か?」「アルコール消毒と手洗いはどちらが効果があるのか?」について解説します。

手洗いは水道水と石けんで十分?

新型コロナウイルスの流行により、普段より手洗いやアルコール消毒をする機会が増えました。中には、手洗いのあとにアルコール消毒を行い、ダブルで感染対策をしている方もいるのではないでしょうか?

しかし、手洗いは水道水と石けんで十分です。これは、先ほど示した厚生労働省の手洗いによる残存ウイルス量の結果からも分かるでしょう。

さらに、インフルエンザウイルスや新型コロナウイルスは「エンベロープ」とよばれる膜につつまれています。一般的にこれらのウイルスは、塩素などの消毒剤によってエンベロープを破壊する役割があることでも知られており、水道水に含まれる塩素がウイルスや細菌を洗い流してくれることが分かっているのです。

そこに石けんやハンドソープを使うことで、さらなる効果を期待できます。そのため洗い残しがないように手洗いをすれば、追加でアルコール消毒する必要はないでしょう。

アルコール消毒と手洗いどちらがより効果があるの?

アルコール消毒も手洗いもどちらも感染対策として十分な効果が認められています。そのため、状況に応じて使い分けをすることが大切です。またどちらも正しい方法で行わなければ、十分な効果は期待できません。

手に付着したウイルスが特に残りやすいとされているのは、指先や親指、親指と人差し指の間などです。手洗いやアルコール消毒をする際は、この部分をしっかりと手洗い、消毒しましょう。

また、アルコール消毒は汚れが付着した状態では正しい効果を得ることができません。そうした場合、手洗いの方が有効です。場面に応じて手洗いとアルコール消毒を使い分けましょう。

 参考:感染症対策へのご協力をお願いします–⑨手洗い(PDF)|厚生労働省

 手洗いをするときの注意点

手洗いをするときに見落としがちなのが、爪の切り忘れや指輪などをつけたまま手洗いをすることです。ここでは、手洗いするときに注意したいポイントを紹介します。

こまめな爪切りも大切

爪が伸びていると、爪の中に汚れが入り込みやすくなり不衛生です。また手洗いするときに汚れが残ったり、爪が折れたり欠けたりしてその部分からウイルスや細菌が入り込んでしまうこともあります。
そのため、爪が伸びたと感じたらこまめに切ることが大切です。理想の長さは爪の下の皮膚がみえる程度の長さ。両端を丸く整えると、爪切りのあとに皮膚を傷つけにくいです。深爪にならないように注意しましょう。

指輪やブレスレットなどは外す

手洗いをするときに指輪やブレスレット、時計をつけていると、その部分において十分な手洗いが行えない可能性があります。手洗いは手首までしっかり洗うことが大切ですが、特に時計やブレスレットが防水でなければ指先だけをササっと洗って終わりにしている人もいるでしょう。また入念に手洗いしても、指輪と指の間の汚れは残っていることもあります。そのため、手洗いするときは装飾品を外して手洗いしましょう。
また、これらの装飾品はこまめにお手入れしているわけではないため、汚れが溜まりやすくなっています。アルコール消毒ができるものはふき取り掃除をするなど、日ごろからきれいに保つことが大切です。

手洗いのあとは保湿ケア

手洗いやアルコール消毒の時間が増えたことで、手荒れを訴える方も増加しています。手洗いによる手荒れの原因は、度重なる手洗いにより肌のバリア機能が低下しているためです。私たちの皮膚表面には、外部刺激から肌を守るために肌角層に「バリア機能」が備わっています。このバリア機能により、肌はうるおいを保ち、ウイルスや細菌の侵入を防いでいるのです。
しかし、このバリア機能が低下することで、肌は無防備になり手が乾燥しやすくなります。乾燥して肌荒れを起こすと、ウイルスや細菌が侵入しやすくなりさまざまな肌トラブルを起こすため、手洗い後は、保湿成分を含んだハンドクリームなどで保湿することが大切です

タオルの共有はしない

手を洗ったあとのタオルの使いまわしにも注意しましょう。多人数で使いまわしをすると、ウイルスや細菌が付着していると感染が広がる恐れがあります。せっかく手をきれいにしたのに台無しになってしまうでしょう。
手洗いのあとは、使い捨てのペーパータオルを使ったり、個人専用の清潔なタオルを使いましょう。手を拭いたタオルの長期使用は雑菌が繁殖しているため、こまめに取り換えることが大切です。

まとめ

今もなお、流行が続く新型コロナウイルスの感染を予防するためには、日ごろからの手洗いうがいやアルコール消毒などの個人による日常的な感染対策が欠かせません。今回紹介した正しい手洗いの方法や注意点を参考に、今日から正しい手洗いを実践しましょう。

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