いまさら聞けない、換気についてのあれこれ

2023/5/15

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新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染症対策で必要とされるのが「換気」です。
室内で適宜換気することにより感染リスクを下げることができるとされていますが、時間の目安や基準がなく正しい換気ができているか不安に感じる人は少なくありません。
ここでは換気について目安となる基準や二酸化炭素濃度計についてまとめます。

必要な換気時間とは?

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)対策として換気が有効とされていますが、その頻度は2時間に1回、5~10分程度とされています。ただし、換気は時間より回数を増やしたほうがより効率的であり、可能な限り頻度を高めたほうが良いことは間違いありません。

たとえば2時間おきではなく3時間おきに20分換気するより、1時間おきに5分換気するほうが回数が増える分効果的です。季節花粉症であまり窓を開けたくない、外気を長時間入れたくないという場合、回数を増やすことで1回に開ける時間を短くするというのも良い方法となっています。

また、換気時の効果をより高めるために、なるべく部屋の中を空気が素早く通り抜けやすい環境にしておくのも効果的です。たとえば、家具がたくさん詰め込まれた部屋より、何も置いていない部屋のほうが空気の抜けが良いことは想像に難くありません。

実際には生活空間に何も物が置いてない状態にすることはできませんが、より効率的に換気するため、家具同士の隙間を作る、壁から離して置くといった工夫はとても大切です。

二酸化炭素濃度が目安になる

新型コロナウイルス感染症対策分科会では、飲食業の指標として「二酸化炭素濃度測定器を用いて店内を測定し、二酸化炭素濃度が一定水準(目安1,000ppm)を超えないように換気や収容人数を調整する」と提言しました。
新型コロナウイルス感染症は人から人に移る感染症ですので、人の呼気に含まれるウイルスを含んだ細かい飛沫(エアロゾル)を滞留させないことが重要です。

つまり人の吐く二酸化炭素を測定し、数値が高くなる前に空気を入れ換えることでリスクを減らすことができるというのが、この提言の主旨です。
二酸化炭素濃度計(CO2センサー)はインターネット通販などでも購入できますので、飲食店に限らず入手することはできます。

もとから厚生労働省の建築物環境衛生管理基準では二酸化炭素は1,000ppm以下とされており、外気中のCO2濃度はおおむね400ppm前後なので、1,000ppmとなると2倍を超える濃度です。
部屋の中の人数が多ければ多いほど数値は上がりますし、夜寝ている間寝室の中の濃度は非常に高くなりますので、数値を見ながら可能な限り空気が抜ける状況を作ることが大切です。

効果的に換気するには

空気が通り抜けやすくするには、部屋の対角を開放するのが一番効果的です。1時間ごとに5分ほど対角のドアや窓を開けると、とても効率的に空気の入れ換えができるので実施しましょう。また空気の動きを活発にする工夫としては、入口を小さく、出口を大きくするのが効果的です。

風のない日などは窓を開けてもなかなか新鮮な空気が入ってこないように感じますが、対角に小さい隙間を空け、反対側を大きく開けることで空気を引き込むことが可能となります。

ただし、これは入口が2ヶ所ある場合に限りますので、窓が1つしかない部屋や窓がない部屋では困る状況です。
もし窓が1つあるなら、入口のドアと窓を開けてサーキュレーターなどを窓の外側へ向け、強制排気しましょう。
部屋の中側へ向けてしまうと、部屋の中の空気が外に出ないので注意が必要です。

窓がない場合は入口のドアを開けて、サーキュレーターなどをドアの前に置いて廊下などへ向けて強制排気してください。その場合、キッチンや浴室などにある換気扇も回し、家の中の空気を強制的に外に出すことも重要です。
環境に応じて空気の通り道をうまく作ることで、効率的な換気を行うことができます。

感染症対策に換気は必須

多くの事業者が感染対策として実施しているのは、「マスクの着用」「体温チェック」「消毒」ですが、実は換気をしないと他者へ感染させてしまう可能性が、18.7倍も上がることが論文で発表されています。定期的な換気は意外と忘れてしまいがちですが、感染対策においては非常に有効です。

換気に関する正しい知識を身につけて、感染対策を万全にしましょう。

 

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